詳細不明。山野内城を結城七郎に攻め落とされた山内須藤刑部少輔が、急遽、杭をたてて柵に仕立て、築いた城がこの杭城館と伝えられる。
杭城館は標高256mの杭城山山頂に築かれている。現在は作業林道が無数に城内を走っており、遺構の状態は決して良いものではないが、遺構の存在を知ってか、曲輪を微妙に外して作業林道を付けているような所もある。
杭城館は杭城山から東へ伸びた尾根に城域が拡がっているが、曲輪が連続しているのではなく、点在しているようである。
主郭は山頂にあり、西尾根に一条堀切、南へ続く尾根に若干土塁のような遺構が残る。
主郭の東下に東西に伸びた尾根にあるのが曲輪iiで、西端は分厚い土塁のようなものが残り、東端は虎口のような山道が入り込んでいる。その北側にある尾根が曲輪iiiであるが、この尾根は林道によって削平されてしまっている。
東山腹にある曲輪vは見やすく、西端に切岸や横堀、東端にも土塁や虎口が残る。その南に曲輪viiiがあり、土塁と堀が巡るが笹薮に埋もれている。
杭城山林道というのが北の川を挟んだ所にあり、それをしばらく東へ進むと分岐点があり、南へ曲がって川へと降りて行く。降りた先は川になっており、飛び石を使って川を渡ると再び山に登っていく作業林道がある。作業林道に従って登っていけばほぼ山頂に達する。
下山は北尾根を利用したが、こちらは急坂で降りた先がオーバーハング、さらに川底に降りてから登れる場所まで川底を歩くのでお勧めしない。
最寄り駅(直線距離)