詳細不明。
若山城南砦は若山城の縄張図を作成する過程で見つけた城郭遺構で、『日本城郭大系』、『山口県中世城館遺跡総合調査報告書-周防国編-』に掲載されておらず、『周南市教育委員会』に問い合わせたところ、未知であるとの回答があったので、便宜上「若山城南砦」と仮称して紹介する。
若山城南砦は若山城から南へ伸びた尾根の一つで、3つのピークのうち、北側二ヶ所が城郭遺構と考えられる。
北の曲輪iを中心とする遺構は後世の改変が大きく、城郭遺構かどうか判断するのに迷うが、南東にある竪堀や平段の作り方などを検討して城郭遺構と判断した。また北側の尾根の先に若山城と似た石積が確認できるが、畑のものであろう。
南の曲輪iiを中心とする遺構はほぼ完存しており、曲輪の削平は十分で、南西鞍部に堀切が一条確認できる。
北にある若山城と密接な関係にあることは容易に想像ができる。若山城の南斜面は急坂であり、北側に畝状竪堀群があるのに対して南側には特に防御遺構は存在していない。この若山城南砦が若山城の支城として存在したか、あるいは今の若山城より古い時代の若山城であった可能性が考えられるであろう。