築城年代は定かではない。城主は村上氏一族の出浦氏とも考えられる。
村上氏の租となった源盛清が最初に住んだのが岩井堂山の麓にある字「島」であったと云われ、その後、鎌倉御家人として活躍し、葛尾城を本拠として移っている。村上氏は入山、屋代、出浦、小野沢、山田、今里、栗田、千田など多くの支族の祖となっており、出浦城もまた村上氏の有力な支城であった。
出浦城は東から観ると富士山のような綺麗な山容である岩井堂山(自在山)山頂に築かれている。単に狼煙台と呼ばれているが、立派な城である。
主郭は山頂にあって土塁が巡り、曲輪の中には凹みが二ヶ所あって井戸跡とされている。主郭の西側を大きな横堀で遮断し、北側を二重堀切にしている。今の登山道は南から付いているが、本来は西の尾根筋から攻めてくることを想定している。
西山腹に降るともう一条の横堀があり、そのまま竪堀となって尾根に続いている。この竪堀状になっている部分は通路で、下り始める部分に小さな曲輪が一つあり、その側面に横堀が巡っている。さらに西尾根を降ると圧巻の大堀切がある。
南東の登山道を登ってくる途中、何本も大きな竪堀のような地形が目に入るが、おそらく自然地形と思われる。
登山道は南東麓の自在神社にあり、山腹の境内を経て山頂まで続いている。また北から西の尾根に林道が登っており、そちらから登る事も可能であるが、どのような林道かは確認していない。
なお、この山はマツタケ山のようなので、その期間9月〜11月頃は避けた方が良い。
最寄り駅(直線距離)