三本松城北砦は津和野城から北へ伸びた尾根の一つ標高367mを主郭とする砦で、津和野城の北方、蕪坂峠方向に備えたものである。
主郭となる標高367mの曲輪は南、北西の尾根に堀切を設け、北東側は一段低く中央やや西に土塁を設けた曲輪があり、その先に堀切から堀切と一条の竪堀を組み合わせた大きな空堀、さらに下方にも一条の堀切を設けて永明寺からの尾根を遮断している。曲輪の中央付近にある土塁は土地の境界土塁と思われ城郭遺構ではなさそうである。
主郭から北西、蕪坂峠方向は堀切の先は自然地形の緩斜面が続いているが、北尾根の鞍部に降りる辺りに三重堀切を設けている。
南端にある中荒城の空堀群、津和野城の主郭から旧大手であった西尾根の先にある空堀群などと同様に、この北砦の空堀も規模の大きな遺構である。とくに竪堀に関しては中世三本松城の特徴として深くて長いのが特徴のようである。
かつては蕪坂峠から中荒城への縦走路が整備されていたようで道標などもあるが、現在はほとんど利用されていないようで、367mの峰より南側の尾根は藪が多い。
リフトは通してもらえず、下の遊歩道から迂回しているが、永明寺から蕪坂峠へ登り、そこから尾根筋にアクセスする部分は比較的歩きやすい。
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