詳細不明。法領館を居城とした三浦氏の支城と考えられているが詳らかではない。
臼館は雄物川東岸にあり、川に沿って北へ伸びた丘陵の頂部に築かれている。 現在横手・湯沢道路の延伸部分が臼館のすぐ東下まで付いており、もしかしたら消滅、あるいは大きく遺構が損なわれるかもしれない。
この臼館は「中世城郭辞典」に縄張図が掲載されているのだが、南北が反対で、国道13号線バイパスによって削られた跡も誤った方角に入れられており、それに気づくまで山腹の畝堀群を探し回る羽目に。
臼館は南端頂部に主郭を置き、堀切で区画して北へ二郭続く縄張りである。
主郭は三段程の曲輪で周囲を高い切岸に加工し、南に二条の堀切を設けて遮断する。東下の山腹には、この城の見所である腰曲輪状の緩傾斜面に縦横に堀を入れて曲輪として成り立たないようにした遺構が残る。切岸を高く削って下側にできた緩傾斜の部分に畝状竪堀群を置いている例は多数あるが、ここは格子状にしている点で珍しい。
主郭の北側は幅広く二条の堀切で遮断し、東はそれに付随した短い二条の竪堀、西側も竪堀が付く。その北は二郭で南端がやや高く、北に堀切を置いて三郭へと続く。
北端の三郭は南北に長く、中央にやや高い土壇がある。先端部分は雛壇状の帯曲輪が付き、北端に堀切が一条ついている。
道は付いていないが、北側の植林された林の部分から登ると比較的簡単に先端の堀切に至る。ここから主郭までは少々薮と格闘することとなるが、主郭付近は見やすい。
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