築城年代は定かではない。現在残る遺構は天正11年(1583年)柴田勝家によって築かれたもので、賎ヶ岳合戦で柴田勝家の本陣として利用された。
玄蕃尾城は越前と近江の国境にある中尾山に築かれており、現在は続百名城の一つとして整備されている。
山頂の主郭はほぼ方形の土塁囲みで北東隅に櫓台があり天守台とも呼ばれている。この櫓台は一辺約10mで礎石が一部露出している。
主郭には3つの虎口があり、南の虎口1は土塁がやや内折れ、北の虎口2はやや食い違い、東の虎口3は平入でいずれも空堀には土橋が架かっている。
主郭の北にあるVは馬出しで曲輪VIに続く。曲輪VIは城内で最も広く北東に虎口6を開き、南を除く三方は土塁と横堀で西は地形に沿って湾曲する。
主郭の南にあるIIも馬出しで曲輪IIIに続く。曲輪IIIの虎口4は左折れの枡形で、曲輪IVはIIIより若干高くなっている。南端の曲輪IVは西端がスロープになって東より低く虎口5を開く。
主郭の東側は南に土塁囲みの曲輪VIIがあるが、ここから出ていく明確な虎口はない。北は帯曲輪で一部細くなっているが、そのまま馬出しVとつながっている。
車の場合は柳ヶ瀬トンネル西口から舗装林道に入り、終点の駐車場から登る。ここからだと比高100mもなく、比較的容易に主郭まで行くことができる。
公共交通機関の場合はバスで南東麓の余呉町柳ケ瀬集落から登るルートになる。こちらは比高約220mである。
最寄り駅(直線距離)