築城年代は定かではないが戸蒔氏によって築かれた。
戸蒔氏は甲斐源氏武田氏の末裔とされ、このあたりに勢力を持っていたが、北の戸沢氏、南の六郷氏が台頭してくると、戸沢氏に従うようになった。
天正18年(1590年)豊臣秀吉の命によって戸沢氏の支城35城が破却され、このとき戸蒔城も廃城となった。慶長7年(1602年)戸沢氏の常陸転封に従い、戸蒔氏もこの地を去った。
戸蒔城は戸巻町一帯に築かれていた。かつては二重の堀が巡る城であったというが、明治以降の耕地整理によって遺構は消滅、現在は宅地や田畑となっており、明瞭な遺構は見当たらない。