『芸藩通志』には「尾上城 津村城 並に馬木村にあり、皆守者の氏と見ゆけれど、詳ならず、」とあり、詳細は不明である。
尾上城は標高192mの山に築かれている。
尾上城の場所については『広島県中世城館遺跡総合調査報告書』と『ぶらり馬木めぐり』及び現地の案内で異なっており、明確な城郭遺構があるのは『ぶらり馬木めぐり』と現地案内で示された場所である。
ほぼ単郭の小規模な城で、主郭Iは西が一段高く、東側は緩やかに傾斜している。周囲を巡る切岸は高く10m近い。
西の尾根背後は堀切1で遮断している。尾根側が緩やかに削られているため浅く見えるが幅は広い。
主郭の南下には幅広の竪堀2があり、竪堀に面して土塁のついた腰曲輪IIがある。腰曲輪IIの造成は甘く傾斜を伴う。東側には山道が接続しているが改変と思われる。
東の尾根先は堀切は確認できないが竪堀3がある。形状から堀切から変化した竪堀のように見えるが、現状尾根を遮断するような窪みはなく、反対側も堀状地形は確認できない。
『広島県中世城館遺跡総合調査報告書 』では尾上城2の場所を示しているが、尾根上にある三段の削平地は明確ない城郭遺構とはいいがたい。
東下の県道沿いに余白があり、そこから山上に上がるコンクリート道の入口に「尾上城入口」の看板がある。
尾上城へは一旦山頂へ上がり西へ回り込んで南尾根に分岐し城跡に至るルートとなって大回りである。
最寄り駅(直線距離)