詳細不明。城主は中村伊豆守と伝えられる。
虎太郎城は遍路道の一つである農祖峠の近くにある標高721mの山に築かれている。
最高所の主郭を中心に北に二郭、南に三郭を配しており整った縄張を持つ。主郭は南に土塁があり、虎口は明瞭ではないが、中央東にやや窪んでいる部分は虎口ではなく、北の曲輪iiの西側にあるスロープとなった土塁を使ったものと推測する。南には三方を土塁で囲んだ曲輪iiiがあり、曲輪iiとiiiは主郭の東下にある横堀状の通路で繋がる。
東下には腰曲輪ivがあり、北と南にそれぞれ竪堀を用いており、北は自然の谷を活用したものである。この腰曲輪から東へ伸びた尾根先に出丸となる曲輪vがあり、西に土塁が付く。
北は弓形状となった堀切1と東側面の竪堀、西側面には不明瞭ながら畝状竪堀と思われる複数の竪堀状地形が残る。南西尾根は三条の堀切、南尾根は浅くなった堀切4で遮断している。
全体的に整った縄張であり、この辺りでは大戸城と同じ勢力による築城ではないかと推測する。
主郭の西下まで細い作業林道があるが、おそらくこの道は西の谷から続いていると思われる。登ったのは南西の尾根先で、民家の脇から山に入ることができる。他にも多数の山道があるが、登り口は不明。