詳細不明。
寺上山城は正蔵院の西背後にある山に築かれている。
ほぼ同じ高さの山上にI~Vの曲輪群が存在しているが、各曲輪の造りは大きく異なっており、時期差や改修によるものだろうか。
最高所ではないが、全体的に見て中心となる曲輪はIと考えられる。概ね東の谷筋に向かって高土塁を築いている。中央には張出部分も存在し、張出部に合わせて竪堀状地形2、3が確認できるがこれらは不明瞭である。
東の曲輪IIとの間には枡形空間を備えた虎口がある。北から南へ入り、東西に分かれてそれぞれ曲輪I、IIに入る構造で、東西両曲輪から横矢が掛かる発達した構造になっている。
東の曲輪IIとIIIは間には堀1があるが、北側が土橋になって接続している。曲輪IIは虎口に面した西側に高土塁があるものの、曲輪の造成は甘く、南は自然地形になる。曲輪IIIは中央に巨石群があり、その周囲に平坦面を造成している。
主郭Iの北側は規模の大きい堀切4を隔てて曲輪群IVがある。曲輪群IVは小さな段を重ねる構造であるが、最高所から北と東のあたりは山道が接続して改変されている部分もあり、城郭に伴う段なのかどうか判然としない地形が続く。堀切7、8の部分も削り込んで幅広の箱堀状になっているが、竪堀が伸びておらず、もともと堀切であったのか改変によって現在の形状になっているのか判然としない。
北西尾根の鉄塔が建っている部分は周囲が切岸となり、北側にやや弓形状になった堀9が確認できる。東端は山道に接続しているが、形状は堀として問題ないだろう。東尾根には明確な堀が確認できないことから、北を警戒した出丸と考えられる。
南西側のため池、ちょうど玉野市と倉敷市の境目のところから曲輪Vにたつ鉄塔に登る山道がある。
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