詳細不明。城主は安宅志摩守冬俊という。落城後に家老大河内左衛門道春が出家したという。
猪鼻城は猪鼻集落の南背後に聳える標高319.9mの台山に築かれている。 山頂を中心に北東の峰、南東の峰、そして東の谷を挟んだ東尾根に遺構があり、広範囲に遺構が点在する。
主郭のある山頂部は土塁囲みの曲輪で東端と南西に虎口があり、特に東の虎口は列石を利用し、外側には石積が付いた段が続いている。主郭には落城後に出家したという大河内氏の末裔の方が建立したのであろうか『供養碑 台城 安宅志摩守冬年 其ノ家人』と刻まれた供養塔がある。
主郭部の北東の峰にある曲輪群は規模が小さく、一段小高くなった曲輪に堀切と土橋がある。切岸は北が高く東側は鈎状屈折している。
主郭の南東にある峰の曲輪群は尾根に沿って東西に長く伸び、途中に堀切がある。尾根の西側一帯には石積が多くあり、北東端が入隅となっているところがある。
主郭の東下の谷は湧き水があり、ここが水場であったようだ。この東側にある南北に伸びた尾根の北端も曲輪となっている。
北麓の県道に一本の橋が架かっており、そこから宅地方面に進むとさらに細い川に橋があり動物除け柵の入口がある(地図)。ここが登山道入口で登山道はそこから山頂まで続いてる。