築城年代は定かではないが建武年間(1334年〜1338年)に長友兵庫頭行安によって築かれたと云われる。
有嶺城は一ツ瀬川の東岸にあり、南北に長く伸びた丘陵に築かれている。
南北約300m弱ほどの規模で、堀切などで区画された曲輪が南北に五つ連なっている。 北端の曲輪は一段低く、中央に南北の土塁が付いて東西両側が低く曲輪となる。南に堀切を挟んで土塁で囲まれた二番目の曲輪がある。北から二番目の曲輪は四方土塁が巡り、北と南に虎口がある。北の虎口は堀切に面して開き、内側にｌ字に小さな土塁が付いて内桝形状になる。南の虎口も堀切に面しており、三番目の曲輪側にも虎口が付いているが、高低差が少しあり、虎口の位置もややずれていることから木橋ではなかったのかもしれない。
三番目に当たる中央の曲輪も概ね土塁が付いている。北は虎口があり、北西下に土塁の付いた通路状の遺構が残る。南は四番目の曲輪へと続くが、堀切は東側を半分削り落としているだけで、西側は繋がっている。南端の曲輪は南下に弓形状に横堀を設けて尾根を遮断している。
一ツ瀬川に架かる新瀬口橋を渡り県道312号線を北上すると西都市から新富町へと入る。登坂車線の終わりに「春日の大イチョウ」の道標が出ており、それを左へ曲がる。少し先に堀切から伸びている竪堀が道路脇から見えている。この辺りから山へ取り付くと北端の曲輪に出る。(地図)
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