梅尾城は筒ヶ嶽城から西へ派生した尾根の先端頂部、標高149mの山頂に築かれており、山頂から南西の曲輪群と北東尾根の曲輪で構成されている。東にフロン谷(風呂谷)、北にカジヤ谷(鍛冶屋谷)があり、北東の曲輪を「馬かけ馬場」と呼び、周囲には「殿の屋敷」・「土居内」などの地名が残るという。
曲輪は大きく尾根上のI、II、IIIと谷筋の曲輪群IVで構成されている。主郭は曲輪Iと推測される。
主郭Iは北端に一段小高くなった土壇があり、南に虎口1を開く。北端から西へ続く尾根に堀切3と4があり、その間も小規模な曲輪となる。堀切4の外側の段は畑跡のようである。
曲輪IIは南端が地形なりに西へ折れているが、この部分にL字の土塁を備える。虎口は曲輪群IVとの通路である虎口2がある。南端の土塁も開口しており周辺には石が散りばめられている。外側に通路が確認できることから虎口3と考えられるが、はっきりしない。現在の登山道がある南西尾根側には堀切は確認できないが、二条の竪堀5と6が認められる。
曲輪IIIは主郭Iから箱堀となる堀切2を挟んだ北東に位置するが、堀切2の堀底は曲輪IIと通じているため完全に遮断するような意図は感じられない。
曲輪IIIの南端はL字の土塁があり石混じりで、南側はやや空間があって虎口4となる。曲輪IIIの南側は削平されているが、北側はやや登って行くように自然地形となり、その背後に二重堀切1を設けている。
曲輪群IVは曲輪IIの東側の谷筋に設けられた曲輪群で、一部は耕作されていたと思われ溝がある。谷の中央に下から上がってくるルートがあり、このあたりが大手筋であろうか。
南麓の道路沿いに案内板が設置されており、そこから曲輪IIまで遊歩道が設置されている。
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