築城年代は定かではないが辺春氏によって築かれたと云われる。 天正7年(1579年)には辺春親貞・親行父子が在城していたという。 辺春親行の妻は田中城主和仁親実の妻であったことから、肥後国人一揆の際に田中城に籠城したが、裏切って落城の原因を作ったとされる。
辺春氏については筑後国熊ノ川城を参照。
坂本城は坂本集落の北方にある城山に築かれており、筑後と肥後の国境からわずか数十メートル肥後側に入った所に築かれている。
坂本城は筑後との国境にのびる標高300m前後の山並みの一つから南へ派生した尾根上に築かれている。 主郭は南へ張り出した尾根の頂部で、一段小高く切岸となり西側には石積が残る。その下を横堀が巡り、西斜面は緩やかな傾斜を描く。この斜面ははっきりと見えるわけではないが、畝状竪堀群があるように思えてならない。
主郭の北は堀切が一条あり、その背後は馬の背状の地形になっている。南側にも城域は拡がるようであるが、この辺りは果樹園となっている。
坂本集落の所に案内板(地図)が設置されている。ここから車で農免道を登ると、そこからさらに林道が付いている(地図)。ここからは未舗装林道なので歩いて登ったが、北の福岡県側から舗装された道が城山の果樹園まで通じているようである。