貞治3年・正平19年(1394年)頃に香川兵部少輔景房によって築かれたと云われる。 香川氏は相模国高座郡香川邑発祥で、桓武平氏の流れを汲む。管領細川頼之に従って讃岐に来住し、貞治元年(1362年)高屋の役の功によって多度津を与えられ、この地に築いたという。
香川氏の平時の居城で要害としては天霧城を備えていた。
多度津城は多度津港の南に聳える標高93.2mの山から東へ伸びた尾根の先端に築かれていたようで、現在は桃陵公園の一部となっている。
前回訪れたときは、多度津城の位置についてはっきりせず、山頂ではないかと思っていたのだが、『香川県中世城館跡詳細分布調査報告書』を参考にすると、東へ張り出した尾根の先端で、メロディ時計の建っている部分と思われる。
山頂部は水道施設?のようなものがあり、中央一段小高くなって帯曲輪状の平地もあり、城跡の雰囲気は多少感じられる。
メロディ時計のある部分は『日本城郭大系』いう石垣が確認できるが、『香川県中世城館跡詳細分布調査報告書』では神社建立に伴う後世のものではないかとしている。西へ続く尾根は遊歩道となっているが、この部分に堀切であったとすれば、背後を遮断した曲輪と見ることができる。
桃陵公園に駐車場がある。メロディ時計のある所はそこから東下へ少し降りていく。
最寄り駅(直線距離)