築城年代は定かではないが厚東氏によって築かれたと云われる。 厚東氏は物部氏の末裔を称し、初代厚東武忠が棚井の地に住んだことに始まるとされる。
厚東氏は古くより長門の地に根付いた在地豪族であり、七代厚東武光のときに霜降城を築いて居城とし、十四代厚東武実のとき長門守護職となった。しかし、大内氏との争いに敗れた厚東氏は衰退し十七代の義武をもって滅亡した。
厚東氏館は霜降城の東麓にある棚井の地に築かれていた。
棚井の地にある浄名寺の南にある高台が厚東氏の館跡とされ、御東館と呼ばれているが、現在は田畑や宅地となっており遺構はない。
十四代厚東武実が祈願所として建立した浄名寺と、菩提寺として建立した安国東隆禅寺にそれぞれ厚東氏の墓所があり市指定史跡となっている。