天正12年(1584年)宇喜多氏が岩屋城を攻撃するための陣城として築かれた。 荒神の上砦の守将は浦上与九郎と伝えられる。
荒神の上砦は現在の岩屋城登山口へ通じる岩屋川の東に南北に伸びた丘陵に築かれている。陣城群の中では遺構の状態も良く、整備されている。
岩屋城を取り囲む陣城群は尾根に沿って長大な土塁を設けており、それがわかりやすく残っているのがこの荒神の上砦でもある。この長大に続く土塁の間に10m四方前後の砦が並んでおり、大半は土塁囲みである。
荒神の上砦の中心となる砦はやや技巧的で、南に桝形状の空間を有し、周囲に横堀を巡らせている。
国道沿いにある岩屋城入口の看板から旧出雲街道へ入ると「岩屋城夢の広場」がある。その北側の山腹に社が見えるが、これが荒神様。この脇から山上に通じる道がある。また、西の岩屋城へ向かう谷沿いの道にも道標がでており、ここからも入ることができる。
荒神の上砦から尾根伝いに周囲の陣城群を巡って荒神の上砦へ降りてくるまで、約5時間半の行程でした。これと岩屋城で丸一日です。尾根道は倒木は多数あるものの薮化している所は少なく歩きやすいです。ただし、一切道標がなく、登る尾根、降りる尾根をきちんと把握しないと迷うことになるでしょう。
この荒神の上砦と楽万の上砦の遺構が良好で見やすく、何より麓から近いので、これを見学することをお勧めします。
最寄り駅(直線距離)