築城年代は定かではない。犬居城主天野氏の支城の一つとされる。
天正4年(1576年)徳川軍によって天野助兵衛の籠もる樽山城は攻略された。その後、天野藤秀は徳川氏に追われて猪ヶ鼻まで退き、武田氏を頼った。
徳川氏は樽山城攻略後に安倍元真や天方氏らを入れて守らせ、その後は武田氏との境目として大久保忠世が二俣城や光明城とともに守備していたという。
樽山城は敷原沢に沿って西へ伸びた標高629mの山に築かれており、現在は市史跡として整備されている。
沢に囲まれた急峻で細長い山上にあり、曲輪は非常に狭い。
最高所は曲輪Iであるが、ここは幅広の土塁程度の面積しかなく、南から東下の曲輪IVに続く通路がある。曲輪IVは内側が溝状になって外側が土塁のようになるか、ここも面積が非常に狭い。
曲輪Vは南北両側から土塁が伸びて開口し、そこへ通路が登ってきている。さらに東へ下ると削平の甘い帯曲輪状の曲輪VIがある。
曲輪Iの西側は堀切で、東西に長い曲輪IIが続き、南側に土塁のある腰曲輪IIIへと続き、西端は堀切2で遮断する。この曲輪II、IIIのあたりが一番面積が広く、主郭部となりえる。
東側の林道沿いに広い駐車スペースがあり、奥の入口に案内板や供養塔が建っている。
ここに至るには北側の樽山、セド山山麓を東西に走る林道からアクセスする。この林道は舗装されていて比較的道も良い。南の県道からのルートをGPSログに貼り付けておくので参照のこと。
最寄り駅(直線距離)