築城年代は定かではないが応安4年(1371年)頃に小野崎通春によって築かれたと云われる。
通春は父通胤が築いた友部城の水利が悪かったことから、山尾城を築いて居城を移したと云われ、その後小野崎氏代々の居城となり、主家佐竹氏が秋田へ転封となるまで続いたという。
この山尾城の南北にそれぞれ友部城と櫛形城という支城があり、ともに小野崎氏の城とされる。友部城は曲輪を複数の尾根に展開する山城であるが、櫛形城は単郭の曲輪の周囲を高い切岸と横堀で守る城で、それぞれ思想が異なっている。
山尾城は現在の十王中学校のある山に築かれていた。主郭部は中学校の敷地となっているため遺構の状態は不明である。現状唯一遺構が確認できるのは南西側に伸びる尾根にある鉄塔付近で、この場所に堀切が一条あり、鉄塔のある平地には土塁がある。
南西側の尾根に新しい道があり中学校へと繋がっている。この道路からよじ登ればすぐに堀切だが、意外と登りづらい。
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