築城年代は定かではない。はじめ阿波の武将三好尊春によって築かれたとも云われ、城主は難波経俊なども伝えられる。
備中兵乱のときには三村元親の武将杉重知が守っていたが、天正3年(1575年)に毛利軍の攻撃を受けて松山城に撤収、その後は毛利軍の小早川隆景が寺山城に陣を移し、付近の青麦を刈って三村方を兵糧攻めにしたという。
寺山城は備中川面駅の北に聳える標高310m程の山に築かれている。現在は城跡として良く整備されており、すぐに藪化しそうな山であるが、草が刈られて維持されている。
寺山城は東西に並んだ三つの峰にそれぞれ曲輪を配しており、その曲輪を中心に段曲輪があり、曲輪間は堀切によって遮断されている。
西の峰から「西の丸」、「本丸」、「東の丸」そして東へ降った所に「馬場」がある。この城山は一般的な人工林や自然林の山ではなく篠山であるため、曲輪間の見通しが現在でも良好で、曲輪の形状を谷を挟んで確認できるなど、他の城跡とは違った楽しみ方ができる。ただ篠山であるため、整備されていない部分はあっという間に藪となり、踏み入れるのが難しくなるのが難点であるが、訪れたときは末端の堀切が確認できなかったくらいで、概ね良好に散策することができた。
車の場合、城山の北側に「高尾田」集落への道があり、その途中に駐車場が用意されている。ただこの道は狭く、川面駅からだと、西の鴨谷側より、北の高尾田経由のほうが、より安全に走行できる道であった。
最寄り駅(直線距離)