築城年代は定かではないが蜷川氏によって築かれたと云われる。 蜷川氏は山城国氏軍の大領宮道氏の後裔とも云われ、治承4年(1180年)の越中国砺波郡・新川郡を領し、新川郡蜷川郷に住んで蜷川氏を称したという。
永正2年(1505年)蜷川治部少輔は月岡野で戦死したと伝えられ、永正3年(1506年)守山城主神保氏に攻められ蜷川城は落城したという。
アニメ「一休さん」に室町将軍足利義満の側近として登場する蜷川新右衛門は、蜷川館主であった蜷川新右衛門親当がモデルである。
蜷川館は現在の最勝寺一帯に築かれていた。最勝寺は蜷川五郎親綱が父蜷川親直の菩提を弔う為に黒崎の地に建立したのがはじまりと云われ、蜷川氏代々の菩提寺であった。
蜷川館は南北二郭であったといい、南郭が現在の最勝寺境内、北郭は富山県健康増進センターになっている。現在は最勝寺境内にわずかに土塁の残欠が見られるのみである。