立専寺は山号を武将山といい浄土真宗の寺院である。もとは銀山城主武田氏の菩提寺で武将山金龍院という禅宗の寺であったが、武田氏の衰退とともに荒廃した。その後、天文4年(1535年)に正春法師によって浄土真宗に改められ再興されたのが立専寺である。
立専寺は銀山城の南麓にあり、山門脇には「銀山城主武田家菩提寺」の碑がある。境内の片隅に宝篋印塔があり、何故か碑文が壁側に向けられているが、その内容によると宝篋印塔は武田元繁(有田中井手の戦いで討死)の墓と伝えられているもので、菩提寺である立専寺に移したと刻んでいる。また山号額には「長勲」と記されており、最後の広島藩主浅野長勲の筆である。