築城年代は定かではないが畑山氏によって築かれたと云われる。
畑山氏は蘇我赤兄の末裔を称する安芸氏の分流で、安芸実信の子康信が畑山氏を称した事に始まる。畑山氏からは元盛が安芸氏の養子となって本家を相続するなど安芸氏との繋がりは強く、安芸国虎が長宗我部元親に敗れて自刃したのちは、畑山元氏父子が国虎の長男千寿丸とともに阿波に落ち延びた。長宗我部氏が改易となったのちは畑山元氏の子元康が畑山に戻って庄屋を務めたという。
畑山城は畑山集落の南方、畑山川に向かって西へ伸びた尾根に築かれており、現在は山道が整備されている。
縄張はシンプルで社が祀られた主郭iの西下に腰曲輪iiがあり、西尾根に堀切1、東尾根に連続堀切2を設けている。主郭は東端は高土塁、その他周囲は低い土塁の名残のようなものがあるが、不明瞭で土塁として囲んでいたかどうかは定かではない。
東尾根の連続堀切は東端の鞍部を含めるなら五重堀切となる。堀切の北側の段は後世の改変で石積も後世のものである。
北西下の麓には畑山氏初代康信が建立した田岸寺跡があり、畑山氏の菩提寺であったという。
畑山集落にある畑山小中学校跡などを目指す。そこから「畑山散策道」の看板に導かれていけば畑山城に達する。
畑山集落は2019年10月現在ドコモの携帯は圏外であった。「はたやま夢楽」という宿泊施設があり、ここで昼食をとることができる。「土佐ジロー」という鳥の料理はお勧め。