築城年代は定かではない。天正18年(1590年)豊臣秀吉による小田原攻めで、北条氏の家臣梶原兼宗、三浦茂信が守っていたが、徳川家康の家臣本多重次、向井正綱率いる水軍によって攻められ落城した。
安良里城は安良里港の西側、今山から北へ伸びた尾根に築かれており、現在は自然遊歩道が整備されている。
『日本城郭大系』には陸続きでは行けず、造船所の渡船を利用して行くと記されている。現在では岬の先端にある神社のあたりまで車道が通じているが、昔は舟でなければ行き来できないような場所であったようである。
安良里城は明確な遺構に乏しい。自然遊歩道から分岐して網屋岬まで歩いて降りたが、ほぼ自然地形であった。あえて主郭とするなら、自然遊歩道から分岐してすぐにある東屋のたつ標高100mのピークであろう。ここは北の尾根続きは自然地形であるが、尾根背後にあたる南側は鞍部に向かって切岸加工されている。
集落から造船所の方に進んで行くと今山の自然遊歩道の入口がある。ここから山腹を進む遊歩道が続き、尾根上に到達すると網屋岬への分岐がある。網屋岬方面にそのまま下ることができる。
駐車場はないが遊歩道入口近くの余白に駐められる。