『因幡誌』によれば、山名弾正という国侍の居城で、小畑高尾の城主島崎某と数年の間争っていたが勝敗がつかなかったところ、鹿野城の亀居氏によって攻められ落城したという。
狗尸那城は鷲峰山から北へ伸びた尾根の標高352mの山に築かれている。
主郭は山頂にあり、北西側に向かって曲輪ii、曲輪iiiと帯曲輪状の曲輪を並べ、その下方に横堀と竪堀を組み合わせた空堀を設けている。竪堀は横堀から派生する竪堀5、6、8と、南側面にある竪堀4、5がほぼ等間隔で設けられている。
主郭は北端部に方形の窪みがあり枡形虎口の可能性がある。その下方、曲輪iiも小さな方形区画の虎口があり列石がある。曲輪iiiは南端がスローブとして降り横堀南端の土塁とつながっており、大手道は横堀と竪堀を使ってこの南端から曲輪iiiに上がっていたと考えられる。
曲輪iiの虎口脇と曲輪iiiの北端部には礫石と思われる集石があり、曲輪i、iii、iiiの周囲にはところどころ石積、列石を確認することができる。
横堀より外側の曲輪ivは上下二段で先端から西下にスロープがあり小さな土橋の先は尾根道に続いている。
北尾根は竪堀に土塁のついた曲輪vは東側に大きな井戸跡のような窪みがあり、北に堀切9を挟んで曲輪viがある。曲輪viの北下は平坦になっているが、西側は竪堀10があり、北はそのまま尾根に続いており、曲輪ではない。
主郭の南東下に堀切2を挟んで曲輪viiiがある。南東に続く尾根に備えた曲輪で南東背後を堀切1で遮断するとともに南下には二条の連続竪堀を設けている。
北西麓に林道天王線入口の案内がある。ここから林道大ナル線と林道天王線の分岐まで舗装された道があり、未舗装の林道天王線に分岐してしばらく行くと狗尸那城背後の尾根を通ることになる。この入口近くまで普通車でも行けるが、先の林道分岐付近に車を駐めて未舗装路を歩いて登るのもよいだろう。ただ狗尸那城への入口に道標などはないので、gpsを活用するなど間違わないように注意が必要である。
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