築城年代は定かではないが、元中5年(1388年)宇久勝が岐宿城より辰ノ口城へ移ってきたのが始まりとされる。
九代宇久勝の後も代々続くが、永正4年(1507年)十六代囲のときに玉之浦納の反乱によって辰ノ口城は落城、宇久囲は城を脱したが黒島で自刃する。このとき囲の嫡子三郎は平戸の松浦氏を頼って落ちた。永正18年(1521年)三郎は宇久盛定と名乗り、松浦氏の援助を受けて福江に上陸し玉之浦納を打ち破って宇久家を再興を果たした。
辰ノ口城は住吉神社の参道入口付近の畑地の辺りに築かれていたという。遺構はないが、参道入口の向かいに石碑があり、宇久氏ゆかりの石祠が祀られている。